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NOと言わないメキシコ人 | プラッツからのメッセージ

安原 彩子

12月のメキシコは街中がクリスマスの飾りでにぎわい、さすがカトリックの国だけあって約1か月かけてキリストの誕生を祝います。4月はハカランダが歩道を紫色に染めますが、12月は真っ赤なポインセチア(メキシコ原産!)がクリスマスを盛り上げます。クリスマスと対照的に、お正月を日本のように祝うこともなく、あっさり次の1年がスタートします。前回書かせていただいた「メキシコ=私の居場所」。今でこそ私の居場所と思えるメキシコは、始めは何ともオソロシー国でした。

Noと言わないメキシコ人

日本の面積約5倍の広さをもつメキシコ。首都のメキシコシティーはごちゃごちゃしていて人やモノが密集していて狭いようで、やはり広い。土地勘もない外国人の私は、道に迷う度に街を歩くメキシコ人に道を尋ねることがよくありました。「Todo derecho(ずっとまっすぐ)」、「Esquina a la mano derecha(その角を右)」と教えてもらったとおりに行っても…ん?着かない…?挙句の果てに歩いてきた逆の方向を言われたり…。今までメキシコ人に道を聞いて、「No se(ちょっとわかりません…)」「No conozco por aqui(ここら辺は知らないので…)」と言われたことはほとんどなく。オソロシーほど親切に答えてくれますが、無事に目的地へ着けたこともほとんどありませんでした…。親切なメキシコ人の言うことを半分信じてはまた別のメキシコ人に尋ねては自分で判断して進む。ということを繰り返しながら、最小限の誤差で目的地に辿り着く技を身につけました。メキシコではその他いろんなことも同様に、一歩進んでは三歩ほど下がることを繰り返しては自分で折合をつけながら進んでいく大切さを教えてもらいました。

 

メキシカン・ジョーク

メキシコでは家族や友達が集まって誕生日やクリスマスを祝ったり、特に何もない土曜日でも昼間からみんなで集まってご飯を食べたり飲んだりして過ごします。私も飲むことは大好きなので、サッカーを見たりドラマを見たりしながらメキシコ人といろいろ話して過ごすのは楽しい時間です。ビールやテキーラをいくら飲んでも酔わないメキシコ人が、いい感じにできあがってきた時に始まるのがメキシカン・ジョーク大会!みんな我こそはと、チステ(メキシカン・ジョーク)を言い始めます。が、オソロシーほど面白くない…。分からない。時事ネタから下ネタまで。子どもも大人も一緒に笑ってる。“全然笑えへんし…早く終わって…”と思っているのは私だけで、メキシコ人は私に構わず説明されても面白くないチステを繰り返し、さらに、「ジャパニーズ・チステ教えて」と、むちゃ振りしてくる…。そんなメキシコ人との飲み会を重ねていくうちに、「とりあえず、居てもいいか。」と思えるようになっていきました。チステはわからなくてもメキシコ人はオモシロイ。チステはわからなくても一緒に飲みたいと思える。同じ時間を共有する大切さを教わりました。

何ともオソロシー、楽しいことばかりじゃないのが「メキシコ=私の居場所」。イヤなことたくさん、面白いこともっとたくさん経験してメキシコが私の居場所になりました。安田が以前のスタッフエッセイ(ゆうほどう245号 表紙が仏像の号に掲載)にネガティブとポジティブのことを書いていましたが、まさに、メキシコは超ネガティブからの超ポジティブ変換国!そうすることで独自の文化や風習を創造してきたすばらしい国だと思います。

 

Noと言わないメキシコ人やチステを強要するメキシコ人ばかりではないので、是非、機会があれば一度メキシコの超ポジティブ変換を体験してみてください。

カテゴリー: スタッフエッセイ

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