AwajiPlatz 30Th

プラッツが目指す支援Support that Platz aims to provide

ご本人がプラッツにつながるまで…

1992年、ひきこもる子を持つ親ごさん達が阪急淡路駅前の路地裏ビルに集まって、子どものこと、家族のこと、それぞれの悩み、つらさ、気持ち、はたまた、趣味や最近感じていること……様々なことを語りあった、それが淡路プラッツの始まりです。

そして、親だけでなく子も安心して集える場所があったらと、その親ごさん達が子どもの〝居場所〟を作りました。

当時から現在も一貫して、親ごさんたちの「自分達は直接支援はできないけれど、生きづらさを抱える子どもたちのための居場所があり続けて欲しい」という気持ちを、スタッフの支援が形にするという姿勢で法人は運営されています。

そして三十数年、多くの若者が様々な形でひきこもり状態から脱し、自分なりの社会参加を果たしてきました。

しかし、現在、全国ではひきこもり者が約110万人と推計され、大阪府だけでも約5万5千人がいるとされています。
今も日々、困難や辛さを抱える本人・ご家族がまだまだ多くいらっしゃいます。
また最近では、“若者の働き方”や“ひきこもりの高齢化”は、社会で何らかの仕組みが必要とされる切実な課題になっています。
とはいえ、淡路プラッツが発足した当時に比べ、現在は行政サービスや民間支援機関・NPOなどの各種メニューやネットワークの充実もあり、今後においても困難を抱える若者やそのご家族に対して、様々な形で支援が提供される機会は増えていくと思われます。

そのような現状において、淡路プラッツが今も昔も変わらず行っている支援があります。
それが『居場所支援(=生活支援)』です。

適切な支援へと導くべく、 『アウトリーチ支援(出会いのための支援)』にて、親ごさんそして本人との相談を重ね、その段階を経て、やがて『居場所支援』へと移っていくことになります。
『居場所支援』とは、「レクリエーション」を中心とした活動を通して、人と関わり、その中で「コミュニケーション」「日常生活体験(料理や掃除、運動、文化等)」の経験を重ね、他者との関わりに慣れ、自己表現に慣れ、社会に対する自信を少しずつ培っていく、伴走型の支援です。
また、若者への関わりに並行して、親ごさんへの支援も行っています。親の会や面談、そして講座などを通して、家庭での関わり方についても同時にフォローしています。

この『居場所支援=生活支援』段階で若者たちは、時間をかけて“自分⇔家族⇔スタッフ⇔仲間”との信頼関係を築いていきます。
自分とは異なる他者への信頼感をベースとして、まだ見ぬ他者・社会へと視線が開けていくようになります。
例えば、挨拶・雑談・趣味の共有・集団活動などを通して、生活リズム・人間関係の距離感・自己表現・ストレス軽減方法など、何気ないけれどとても大切なことを体得していきます。
この過程を経て、ようやく次の『就労支援』への扉が開かれることになるのです。
先述した通り、現在、行政や民間問わず、支援の幅は広がっていますが、『生活支援』は依然として手薄な状態にあることも否めません。
いきなり『就労支援』の門をたたいても、社会生活に不慣れな若者にとって、すぐに働くということは予想以上にハードルが高いということがあります。
また、一瞬は“働ける”が“働き続ける”ことが出来ず、職場に定着しないまま辞めてしまう若者が多いということも課題になっています。

働くこと、経済的自立は、若者にとって、もちろん喫緊の課題ですが、ひきこもった経験をもったり、自信を失った若者たちにとっては、一歩一歩と、着実に歩みを進めていくことが何よりも大切です。
人によっては時間がかかることもあるかもしれませんが、淡路プラッツではこのプロセスを重要なものと考えています。
時代とともにいろいろなものが目まぐるしく変化していきますが、発足当初の思いから変わることなく、これからも淡路プラッツは『居場所支援=生活支援』を中心に据えて、親ごさんへの支援も行いながら、ひきこもりやニートといわれる若者たちへの支援に関わっていきたいと考えています。

お問合せはこちらです。