プラッツが目指す支援Support that Platz aims to provide
代表挨拶

当法人は若者(メンバー)・親ごさん・スタッフ・代表・支援者や応援者(企業、地域など)が入れ代わり立ち代わり“支援のバトン”を繋ぎながら地道な「居場所支援」と「親支援」を続けてきた全国的にも稀有な形での民間支援機関です。
「自立を含む“希望ある今と未来”を一緒に創造する」を法人ミッションとし、それぞれの“出口(社会参加)”を見据えた形でまず“入口(出会い)”の相談支援から、その後の継続的な伴走型スモールステップ支援(居場所等)を行っています。
ひきこもりの課題を解決していくには、即効性のある特効薬・魔法の言葉・方法などが残念ながらある訳ではなく、やはり若者やご家族との地道な関わりとサポート、そして信頼関係の構築が何よりまず必要となります。少しお時間を頂くことになるかもしれませんが、その分、多くの若者とご家族がその人なりの社会参加や自立を果たしていった姿があります。ぜひ、一緒に未来を創っていく一歩目を踏み出せればと思います。よろしくお願いします。
ご本人がプラッツにつながるまで…
現在、全国のひきこもり状態の方が約146万人と推計され、大阪府だけでも約5万5千人がいるとされています。今も日々、辛さや困難を抱えるご本人・ご家族が多く、むしろ増加傾向にあると言われています。
また近年、“働き方の多様化”や“8050などのひきこもりの高齢化”は、社会で何らかの取り組みが必要とされる喫緊の課題です。
一方、淡路プラッツが発足した当時に比べ、現在は行政サービスや民間支援機関・NPOなどの各種メニューや支援機関などの充実もあり、今後も困難を抱えるご本人やそのご家族に対して、支援が提供される機会は増えていくと思われます。
そのような現状においても、淡路プラッツが設立時から必要性を感じ、大切に行っている支援が伴走型の『居場所(=生活支援)』です。
『アウトリーチ支援(出会いの段階)』にて、親ごさんそしてご本人との個別相談を重ね、その段階を経て『居場所(集団の場)』へと移行します。
『居場所』は、レクリエーション(外出イベントなど)やコミュニケーション(ボードゲームなども含む)・生活体験(みんなで料理や掃除など)を中心とした活動を通して、他者との関わりや人間関係の距離感・自己表現などに慣れ、価値観が広がり、少しずつ自信を培っていく伴走型支援です。
伴走型支援のイメージ


“居場所=集団の場”につながったから、個別の相談やご家族の相談は終わり…ではありません。
日々の居場所活動のなかでは楽しい嬉しい感情や達成感などを共有しますが、一方で心配事や不安なこと、失敗してしまったかも…ということも起こります。それらを“見無かったこと”にするのでは意味がなく、振り返りを行い、自分なりに納得した落としどころをスタッフと一緒に見つけていきます。これらを繰り返すことで経験が自信となり、若者は“自分⇔家族⇔スタッフ⇔仲間”との信頼関係を築き、社会参加へと広がっていきます。
親ごさんとも個別相談を、社会参加・自立まで継続します。
例えば、“居場所=集団の場”で頑張った反動がご家庭で起こりうることや、家でご本人から相談された時にどう返答すればいいのかという親ごさん自身の新たな悩みが出てきたりします。また、「ここまでできるようになったのだから、あともう一歩…」といった親ごさんの焦りが出てくることもあります。
私たちは、“ご家族・スタッフが両輪となりご本人のサポートをしていく”ことを大切にしています。
居場所はゴールではなく、自立のためのステップの一つであり“通過点”です。
『居場所』を経て、少しずつ『就労支援』へと移行していきます。が、行政や民間を問わず『居場所』と『就労訓練の場』は依然として手薄で不足しています。
それゆえ、いきなり『就労支援』から始めても、社会生活に不慣れな若者にとって、すぐに働くということは想像以上にハードルが高いものです。また、“最初は働ける(内定はもらえる)”が、“働き続けること(長期就労)”が出来ず、職場に定着しないまま辞めてしまう若者も多くいます。
できる限りそうならないよう、まず働く前に、社会参加のための土台を創るための『居場所』支援が必須だと考えています。
働くことや経済的自立は、喫緊の課題ですが、ひきこもった経験があったり自信を失った若者たちにとっては、一歩一歩と、着実に歩みを進めていくことが何よりも大切です。
人によっては時間がかかることもありますが、淡路プラッツではこのプロセスを重要なものと考えています。
時代とともにいろいろなものが目まぐるしく変化していきますが、発足当初の思いから変わることなく、これからも淡路プラッツは『居場所=生活支援』を中心に据えて、親ごさんへの支援も行いながら、ひきこもりやニートといわれる若者への支援を行っていきます。