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| プラッツからのメッセージ

石田 貴裕

自分でも知らなくて驚いたのですが、なんと僕は今年でプラッツ歴10年目を迎えています。改めて数えることもなかったので気にしてませんでしたが、ひとところに10年関わるというのはそれはそれで長い歴史な訳で、おかげでその間いろんな方々に出会ったり関わったりをさせて頂きました。もちろん、すべてが順風満帆って訳ではなかったのですが、改めて「本当によかったなぁ、自分は恵まれてるなぁ」と感動を覚えるともに、感謝の思いが沸き起こっている今日この頃です。加えて、今年で40歳を迎えるにあたり、今の心境を少し綴ってみたいと思います。

 

プラッツに関わったこの10年間に僕自身にもいろいろな変化がありました。今現在、2歳と5歳の子どもがいるのですが、自分が親になって子育てをしていることなんて10年前には想像もしていませんでした。30歳にしてバンド活動をしながら、月1~2本のライブや遠征をしたり、気ままな独身生活でその日暮らしを満喫していましたが、ありがたいことにプラッツはそんな生き方・働き方・不適合感を“多様性”として受け入れてくれました。やがて、結婚をし、バンドにも一区切りをつけ、NPOで働き続けることを決意し、そこから居場所での関わりだけでなく、親ごさんの面談・講座・外部や社会への啓発活動・組織の運営や経営等に役割を変化させていきました。同様に、プライベートでも子育てと共に時間の使い方が変わり(夜型から朝型へ)、家庭における役割も変わり(夫・父親)、共働きなこともあって当たり前ですが家事も子どもの世話も出来るだけ積極的に楽しみながら関わっているつもりです(足りないと言われそうですが、笑)。

今でこそ、この「人生は思った通りには進まないなぁ~感」をやっと受け入れ楽しめるようになってきましたが、当初はこの目まぐるしいジェットコースターのような日々の変化に翻弄されっぱなしでした。時期によっては精神的なバランスを崩して他人のせいにしたり、“何で自分ばっかり”とか思い込んで荒んでた時もあって、それはそれはいろんな人に迷惑もかけながら、同時にいろんな人に助けられ支えてもらいながら、何とかここまで辿り着いてるな~という実感があります。

そんな中、ある時点で自分はこういうスタッフ(支援者)になろう!と決めたことがありました。それは「“太く短く、でも完璧なスタッフ”ではなく、“細く長く、失敗してでも息ながく関われるスタッフ”であろう」というものです。これから先に待つ未来はきっと楽しいことばっかじゃないかもしれない。取りこぼしもある、失敗もある、関わる家族とうまく繋がれないこともある、関わる誰かが命を落とすことだってあるかもしれない。それでも、誰かと繋がれる存在でありたいと思うようになってきました。たとえ、落ち込んで、絶望して、諦めることがあっても、それでもまた関わっていきたい、そう思います。理由はきっと、人が好きだからでしょう。細かいことはわかりません。もちろん、一人も好きで、孤独も大好きです。でも、やっぱり人が好きだと思います。そして、そのためにも、自分の人生も大事なものにしたいと思うようになりました(あのテキトーに過ごしていた僕が、汗)。

年齢のせいなのか、子育てのせいなのか、役割のせいなのか、まぁいろいろとあるんでしょうが、「変化していく」ということ。昔は何となくビビっていたそのことを、良くも悪くも遅ればせながら受け入れ始めました。誰かのせいじゃなく自分の選択として。これから先、若者との関係性も、親ごさんとの関係性もまた、さまざま変化していくことでしょう。それって全然悪いことじゃない、そう思うようになりました。そして、これからも若者やご家族とたくさん関わらせてもらいながら、細く長く、お互いにできる範囲で共鳴したいし、共有しあいたいと心から思います。

とはいえ、誰が言ったか「不惑の四十」。僕には何ら当てはまることなく、迷い、惑い、戸惑う40歳代に突入です。本当はもっとしっかりもしたいんですが、なかなかどうして。最近の面談では、親ごさんのお話をお聞きしながら、逆に子育てのアドバイスを頂いたりなんかして、子育ての先輩方に助けられることもしばしばで(笑)。親に限らず、子に限らず、僕に限らず、みんなどっかで迷い、惑い、戸惑いながら、それでも進もうとしておられます。だからこそ、出来ることは少ないとしても、せめてその“揺らぎ”に付き合いたいと思っています。これからも、困ったときには「ヘルプ~」を言いながら助けてもらって感謝して、間違った時には「ごめん」と伝えて見直して進む。持ちつ持たれつ、その繰り返しを不器用なりに楽しんで歩んでいこうと思います。まだまだ道半ばですが、ぼちぼちご一緒にお付き合いいただければこれ幸いです。これからもよろしくお願いします。

カテゴリー: スタッフエッセイ

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