居場所とごはん | プラッツからのメッセージ
石田 貴裕
プラッツの居場所活動は昼間と夜バージョンに分かれていますが、共通していることの一つとして、一緒にごはんを食べるタイミングがあります。もちろん、食べるかどうかは自由ですが、実はこの“一緒にごはんを食べる”もしくは“ごはんを食べている人と同じ時間を共有する”というのが案外重要で、昔からプラッツが大切にしている文化であり伝統でもあります。ま、ここにお酒も入ってきて、行き過ぎるとアカンのですが(笑)、民間NPOならではの自由とユルさが時に思ってもみない形で若者を成長させたり覚醒させたりするので食事ってホント侮れないなと思っています。
食事を含めた“経験”がプラッツの居場所のテーマですが、実は食事って結構ハードルが高く、“見る・見られる”に直結していますし、特にあまり知らない間柄であればなおさら緊張感を伴うものです。食べている姿自体の恥ずかしさもあるのですが、何を食べているか見られる恥ずかしさやしんどさもあり、「自分ってこう思われてるんちゃうか?」とネガティブ発想にモロ直結していきます。また、食べたり飲んだりすることで今度は排泄に繋がり、それもアカンという人は一緒に食事をするという選択肢自体を選ばないこともあります。
なので、無理やり食事を強制することはありませんが、なるべくなら居場所では「食事は自由やし食べたい物を食べたい時に食べて下さい」のスタンスで過ごします。一緒の時間に食べなくてもいいし、買ってきても調理してもいいし、自分だけで食べて飲んでもいいし、みんなでシェアしてもOKです。例えば、あんなカップ麺もあるんやとか、そんな冷凍食品もあるんかとか、どこのお弁当やろ?とか、あのスタッフはカップ焼きそばばっかり食べてるなとか、わりと少食やねんなとか、喋りながら食べてもいいんやなとか、喋ってばっかで全然食べ終われへんな~とか、ビールの次は日本酒いくんやとか、etc…。そうしていろんなパターンや価値観に触れ選択肢が広がっていけば、果ては多少の“生きづらさ”も何となく許せる“生きやすさ”へと繋がっていくんじゃないかと思っています。たかがごはん、されどごはん的な。ま、お決まりの知らんけど、ですが(笑)。
ともかく、そんな堅苦しく考えるものでもなく、日常のささいな居場所とごはんについて書いてみました。皆さんも機会あればぜひ一緒にごはんしましょう、飲みましょう!お待ちしています。
2025年11月29日
